２０話　彼の不安と、彼女の揺るぎない想い

「ん？　え？　ごめん……って！？　え？　もしかして……え！！　昨日のこと……後悔してるとか！？　その……いわゆる……過ち的な！？」

　ヒナの顔から、みるみるうちに血の気が引いていく。潤んだ瞳は大きく見開かれ、みるみるうちに涙でいっぱいになった。その小さな身体は、まるで凍えでもしたかのように、ブルブルと震え出した。俺の言葉が、彼女にとってどれほどの衝撃だったのか、痛いほど伝わってくる。

　は？ 俺のことで……そんなにショックに思ってくれてるのか？

　俺は一瞬、驚きに固まった。いや……初めてを奪われ、中で出されたんだからな。過ちで済まされたくないよな……。ヒナの震える肩に、そっと手を伸ばす。

「ちがう！！　俺は、過ちなんて思ってないし！　謝罪したのは……その……」

　俺は慌てて否定した。言葉を選ぼうとするが、焦りで上手く出てこない。ヒナの顔は、まだ不安げに歪んでいる。

「ちがうの？　ほんとぉ？」

　ヒナは、まだ潤んだ瞳で俺をじっと見つめ、縋るように問いかけてきた。その声は、震えていた。

「違う。ホントだって。朝起きて……ヒナが目の前にいて……興奮しちゃって……朝から変なモノを押し付けちゃって……ごめんってこと！」

　俺は、必死に言葉を絞り出した。ヒナの顔が、ゆっくりと、しかし確実に、安堵の色に染まっていくのが分かった。その瞳に、再び光が戻る。

「……わ。えへへ♪　きもちーって、思って目を覚ましたんだぁ～」

　ヒナは、俺の言葉に安心して、破顔した。その笑顔は、まるで朝日に照らされた花のように輝いている。

「えっと……不快に思ったんじゃ？」

　俺は、まだ半信半疑で尋ねた。昨夜の行為が、彼女にとって本当に「友達」の範疇だったのか、確認したかった。

「え？　どーしてー？　仲の良いお友達のだよー？　不快になんて思わないよー💕」

　ヒナは、小首を傾げ、心底不思議そうに答えた。その声は、何の裏表もない、純粋な響きだった。俺の頬に押し付けられたままの頬が、むにゅむにゅと動く。

「……仲の良いお友達のだったら、俺じゃなくても？」

　俺は、無意識のうちに、さらに踏み込んだ質問をしていた。ヒナの「友達」という言葉の重みを知りたかった。

「むぅー💢　昨日から言ってるでしょー。ユウくん……だけぇーって。もぉー‼️」

　ヒナは、ぷくっと頬を膨らませ、不機嫌そうに俺の胸を軽く叩いた。その仕草が可愛くて、俺の心臓はまた激しく高鳴る。

「俺だけ……？」

　俺は、思わず聞き返した。その言葉が、俺の耳には甘い響きとなって届いた。

「そぉー‼️」

　ヒナは、きっぱりと、そして力強く言い放った。その瞳は、一点の曇りもなく俺を見つめている。俺の心臓は、歓喜で爆発しそうだった。

　その瞬間、ヒナは俺の腰に回していた腕に力を込め、ぎゅぅぅ💕と強く抱きしめてきた。その密着した身体から伝わる熱と、胸の柔らかな感触が、俺の興奮をさらに加速させる。そして、ヒナの股の間で、俺の息子が、ぬるり、と甘い液体を纏いながら、にゅるぅぅぅと、まるで吸い込まれるように彼女の奥へと再び滑り込んでいくのを感じた。

　「はぁぁ～……んんぅっ！　やぁ……きもちぃ……♡　もぅ……入っちゃったぁ……💕」

　ヒナの口から、甘く、蕩けるような喘ぎ声が漏れた。その声は、驚きと、純粋な快感に満ちていて、俺の全身を痺れさせた。ヒナの膣内は、昨夜よりもさらに熱く、そして粘りつくような感触で、俺の息子を包み込んでいる。奥からじゅるりと吸い付くような快感に、俺の理性の箍は、完全に外れた。

　朝から、こんなにも甘美な状況が許されるのだろうか。俺は、ヒナの腰を抱き寄せ、ゆっくりと、そして深く、腰を動かし始めた。ねっとりとした粘膜の感触が、俺の息子を絡め取り、奥へと吸い込む。

　「んぅ……っ、はぁ……っ、ユウくん……っ、もっとぉ……っ！」

　ヒナの身体が、俺の動きに合わせてしなやかに揺れる。その瞳は潤み、頬は紅潮し、口元からは熱い吐息が漏れていた。彼女の指が、俺の背中を掻きむしるように絡みつき、その爪が肌を軽く引っ掻く。その刺激が、さらに俺の興奮を煽る。

　「ひゅっ……あぁ……っ、んんっ……！」

　ヒナの喉の奥から、甘く、かすれた音が途切れることなく響く。その声は、まるで子猫の鳴き声のように、俺の心を締め付けた。俺は、ヒナの耳元に唇を寄せ、熱い吐息を吹きかける。

　「ヒナ……っ、気持ちいいか……っ？」

　「んんっ……きもちぃ……っ、ユウくん……っ！　わ、わたし、全部……っ、全部、ユウくんのモノだよぉ……っ！」

　朝起きて……可愛いヒナに挿入って……すげぇ……俺の運を全て使い果たした気がする。

　朝から、ヒナと肌を重ねてしまった。夢見心地のまま、大学へヒナと向かっていた。ユウマはぼんやりと昨夜から今朝にかけての出来事を反芻する。

　まだ微睡みが残る意識の中で、ユウマの脳裏には、今朝のヒナとの甘い時間が鮮明に焼き付いていた。腕の中に収まる柔らかな身体の感触、耳元で響いた吐息交じりの甘い声、そして、無垢なようでいて、どこか積極的だったヒナの仕草。あれは本当に夢だったのでは……。あの、可愛らしいヒナが俺と？